ひとりでてくてくと

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★★★★ ゲーム評「ドラゴンクエストⅠ~Ⅵ」

今更だが、改めてドラゴンクエストをⅠ~Ⅲのロトシリーズ、Ⅳ~Ⅵの天空シリーズスマートフォンで配信されたこともありプレイをしてみた。

きっかけは、この本。
ライターのさやわか氏の著書『文学としてのドラゴンクエスト』(星海社)だ。
本書で触れられている通り、確かにドラクエは非常にストーリー性にあふれた印象があり、改めてそのストーリーにどっぷりと使ってみたくなったのだ。

ちなみにどのシリーズが一番印象に残っているのか、これは世代によってかなりバラバラなのではないだろうか。
私はドラクエⅢが印象深いのだが、仕事場で20代後半の後輩に聞いてみるとⅤが印象深いという。

さて、ドラクエのストーリーだが、Ⅰから始めると意外にも記憶違いだったことが分かった。
私は、勇者が王女を助け、その後、竜王を倒して世界を救うというものだと記憶していたが、大まかには間違ってはいないのだが、「光の玉」を竜王に奪われそれを取り戻し竜王を倒すことが主眼になっている。

その後のⅡでは、王女と共に旅をした勇者がアレフガルド(Ⅰの舞台)の外に新たな国を作り、舞台はそこに移る。
勇者の子孫がローレシア、ムーブルク、サマルトリアの3つの城を治めていたが、ハーゴンによってサマルトリアが陥落させられてしまう。
そこで、ローレシアの王子ハーゴン討伐に向かうのである。

Ⅱは仲間と共に戦うというのがポイントで、よりによってローレシアの王子は魔法が使えない戦士タイプという勇者感がまったくない・・・。
途中、竜王の子孫も出てくるのだが、Ⅰで竜王は倒したのであって殺害はしていないのだろう。
Ⅱは結構、ドラマチックな物語で、サマルトリアの王女は犬にされているし、ムーブルクの王子は病気になって戦線を一時離脱したり、ハーゴンの裏にはシドーという悪魔の神がいたりとなかなかの展開を見せる。

やはりロトシリーズはⅢが一番ドラマチックだということが改めてわかる。
主人公は、勇者・オルテガの息子。
魔王バラモスを倒すため、討伐に出るストーリーで、仲間も特に決まった者がいるわけではなく、ルイーダの酒場で適当な人を見繕って旅にでるという主人公以外、特別感はない。
舞台は現代世界と地理が似ていて、オーストラリアに位置するアリアハンから始まる。

ⅠやⅡの舞台とはまったく違うと思いきや、実は表の世界でバラモスを倒した後、Ⅰの舞台、アレフガルドに移動して物語を進めることになる。
そして、表の世界で竜の女王にもらった「光の玉」を使い、ラスボス・ゾーマの魔力を弱めとどめを刺す。

そして、闇の国だったアレフガルドが光の玉によって光を取り戻すというラスト。
しかし、主人公たちは表の世界に戻れず、そのままアレフガルドの地にとどまり、Ⅰへとつながっていくのである。

そうなると、Ⅰの主人公はおそらく、Ⅲの子=勇者の子孫である。
結局、Ⅰも勇者の子孫、Ⅱは勇者の子孫で王子、Ⅲも勇者の子どもと、特別な血を受け継いだものが主人公ということにはなっている。

そして、Ⅳから始まる天空シリーズだが、主人公はさらに特別感が増していて、「天空の人間」なのである。(続く)