書評
直木賞受賞前から評判がよく、ちょうど仕事の関係で会社にあったので、久しぶりに恩田陸さんの作品を手に取った。 恩田さんの作品は、初期作と『夜のピクニック』など数冊しか読んだことがなく、ファンタジー的な作風というイメージしかなかった。 本書は二…
水島治郎『ポピュリズムとは何か』(中公新書) ポピュリズムと視聴率―。 日本では批判的なトーンでしかほぼ使われない「ポピュリズム」だが、本書ではポピュリズムの功罪の「功」の部分に光を当てている。 比較政治学者らしく、ポピュリズムの成り立ちや起…
新たな冒険者の誕生―。 那智の滝を登攀したことで逮捕された著者が描く冒険譚であり、冒険論。 ハードカバーにも関わらず、冒険家の角幡雄介さんの解説があるのは、初めての著作で、本が売れないことを危惧した編集者の仕業かもしれないが、そんなことが必要…
ストーリーが秀逸で爽やかな社会派な一冊。 戦後の教育行政の変遷と共に、塾経営をする家族の物語りを描く森絵都さんの新作。森さんがメディアでのインタビューでも語っている通り、家族の大河の物語を描きたいと言う通り、主軸は家族のストーリー。 物語り…